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対談: IoT x オープンイノベーションというタイトルで講演してきました。東大アウトリーチ企画 MERC丸の内院生ラウンジ

10月25日に友人からの紹介で「IoT x オープンイノベーション」というタイトルで講演してきました。

経営学を研究されている立本先生の「マクロな視点」でのオープンエコシステム・オープンプラットフォームの知見と、1ベンチャーの「ミクロな視点」からの取り組みが交わった面白い話になったのではないかなぁと思います。

merc.e.u-tokyo.ac.jp

多くの企業がBOCCOを活用して実証実験をしている

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BOCCOを発売開始した2015年7月から3年間、プレスリリースが出ている企業だけでも多くの企業がBOCCOを実証実験やシステム連携で活用してきました。BOCCO APIの登録企業だけでも100社を超え、個人も含めると多くの人たちがBOCCOを使った取り組みをしてきました。

IoT/ロボットを検討する企業の悩み

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IoT/ロボットをはじめとしたハードウェア開発には多くのコストがかかります。ちょっとハードウェアの製造をしてみることを想像してみましょう。単純な掛け算をします。1万円のロボットを3万台製造したとしたら?それだけ3億円かかります。このほかにも商品をブラッシュアップするためのプロトタイプ開発、量産に向けた初期費用、実に多くの費用が掛かります。

またIoT/ロボット、特に一般家庭用は未だニーズが明確ではありません。IoT製品は数多くありますが、実際買っている人はどのくらいいるでしょうか?Amazon EchoやGoogle Homeなどのスマートスピーカーを購入されている方もいるかと思いますが、どのくらい活用してますでしょうか。しかも、EchoやHomeはハードウェアで設けるつもりがあまりありません。価格競争で勝つことはまず無理ですから、ビジネスモデル上の工夫かなんらかの差別化をするかが必要です。

こうした状況の中、ニーズがあやふやな億単位の投資を意思決定できる人がどのくらいいるでしょうか?なかなか困難と言わざるを得ないでしょう。

しかも、このハードルを越えたとして、貢献利益はどれほどのものでしょうか。3万人が月額1,000円を払ってくれたとして、年間の売り上げが3.6億円です。多くのビジネスがある中でここに投資をすることはそれなりに難しい決断が必要だと言わざるを得ないでしょう。

BOCCOが選ばれる理由=オープン

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そこでBOCCOです。BOCCOは、子供の見守り用のロボットではありますが、機能的にはIoTやロボットに必要なことが一通りできるように作られています。IRリモコン、温湿度センサ、他のIoTデバイスとの連携、VUI、etc....。市販向けに出しているものは使いやすさやコンセプトなどの観点からすべてを使えるようにはしていませんが、実のところちょっとしたカスタマイズで幅広いことが可能にできています。

BOCCOのほとんどの機能はクラウドAPIを経由して提供されており、この上に連携先のサービスを載せることで色々なサービス実証を行うことが可能です。

そして、価格が29,000円。市販品なので民生グレードでは通常使用に耐えうるクオリティになっています。ラズベリーパイを使った試作品がすぐ壊れる・・・というようなお悩みもよく相談されますが、ハードウェアのカスタマイズを入れない限りはそんなに問題は出ません。

展開している実証実験のサービス例

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https://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/__icsFiles/afieldfile/2018/09/19/20180919.pdf

どのくらいのことができるのか。最近の実証実験例をご紹介します。例えば、10月からはじまった中部電力様との実証実験では、BOCCOを介してオペレーターとユーザ(おばあちゃんなど)が会話をする仕組みを提供し、その上に様々なサービスを構築する実証実験をしています。

オペレーターはBOCCOをしゃべらせるシステムを操作し、おばあちゃんに色々なことを話しかけます。おばあちゃんがBOCCOに話しかけると、その結果が音声認識されてオペレーターの画面に表示されます。イメージとしてはチャットのような画面がオペレーターの前にあると考えてください。

このシステムを使うと、例えばオペレーターが交代したとしてもチャットの過去ログを見ることで会話を引き継ぐことができます。おばあちゃんから見るとオペレーターが変わったとしてもBOCCOがしゃべっているようにしか見えないため、サービスの継続性が高まります。

さらに、オペレーターは画面上でやりとりするため1人で複数のおばあちゃんを相手にすることができます。電話だとどうしても1対1になってしまいますが、ちゃっとなら同時並行させることも可能です。

こうしたシステムの上に、右に書いてあるような様々なサービスを載せています。

このように、シンプルなクラウドAPIの上に、実にいろいろなサービスを載せることができるということがご理解いただけると思います。

ロボットの検証プロセス

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では、こうした取り組みがどのようにサービスに落ちていくのでしょうか。BOCCOを使った実証実験。これは、ここまでに紹介した通りソフトウェアのカスタマイズだけでかなり幅の広いサービスの検証ができるようになっています。

次に、用途に合わせた再設計。BOCCOのままがいいというお客様のおおいのですが(笑)、機能やターゲット価格・ターゲットユーザに合わせたデザインの検討を行います。この時、お客様に向けたカスタム部分をクローズ部分とし、BOCCOの共通部分をオープン部分とすることで、BOCCOプラットフォーム全体の利便性を上げつつお客様の要望の実現も並行することをしています。共通部分を使うことにはメリットもあります。

例えば、天気情報・定時発話機能などはBOCCOでも人気の機能の1つですが、こうしたものをいろいろな権利関係をクリアして個別に契約することはそれなりに手間です。こうしただれもがうれしい機能はBOCCO側、お客様固有のサービス部分はお客様というふうに分けることでコストや開発期間上のメリットを双方にもたらすことができます。

従来、大手のメーカーが新製品を開発するにあたっては、机上のマーケティング活動から始まり設計、製造、出荷までだいたい2年~3年の時間を要することが常です。現代では、うまくBOCCOのような既存の製品を活用することでプロトタイプによるマーケティングを行うことで、机上ではすくいきれないニーズやリスクを洗い出し、そのうえでクイックな要件検討を進めていくことが可能になっています。

プラットフォームの広がり

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これまでは「家中」に着目した実証実験が多く行われてきました。しかし、BOCCOの活用範囲の可能性はまだまだ広がります。

実のところBOCCOが何か変わったというわけではありません。アイディア次第で実に多くのことができます。その可能性を日々発掘し、提案する活動を最近始めています。

おそらく私たちの知らない活用方法がまだまだあるのではないかと思います。みなさまも是非BOCCOを買っていろんなことを妄想してみてください。BOCCOは29,000円、BOCCO APIを小規模で使う限りは無料です。

もちろん、アイディア出しもご協力させていただいています。時間の関係で紹介できなかった様々なアイディアや取り組みについてもご紹介させていただきますので、ご連絡ください。

まとめ:オープンシステムで、企業の新規事業を解決

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ハードウェアを作るというのは、1大事業です。しかし、BOCCOをはじめとしたこれまでの経験から、プロトタイピングを通した新しいマーケティングの方法、リスクをできるだけ下げる方法、そういったものをご提供しています。

後日談:経営学の見方って面白いな―

今日の投稿では、僕の講演の一部分を書いたのですが、一緒に登壇した立本先生の講演も面白かったです。学者のマクロな視点、その中での実際の実務をしている実務家の支店、それが交わった面白い会だった気がします。

これを気に、先生の書籍をご紹介していただいたので買ってみることにしました。先生曰く「研究をまとめたものなので、もっと新しい事例を盛り込んだものをご紹介したいところですが・・・」ということでしたが、とりあえずポチって見ました。

また、立本先生のこれまでの講演はネットでも一部公開されていて、下記のリンク先のPDFはその一部が読めます。

ビジネスエコシステムを支えるプラットフォーマー

http://www.gssm.otsuka.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/2018/04/Talk_Tatsumoto_20180212_Hosei_U.pdf

 日経新聞でも連載されていたようで、それもPDFでよめます。

日本経済新聞 やさしい経済学「オープン&クローズ戦略」

http://www.gssm.otsuka.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/2018/09/2018-07_nikkeishinbun_yasashii_keizaigaku.pdf

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