※FB投稿の再掲です。
先日こんな記事が話題になっていました。
記事の内容にはほぼ全面的に同意するところです。この内容って実はIT業界だけではなく、あらゆる業界に通じます。
あらゆる製品・サービスは製品ライフサイクルをたどる
実際のところモノゴトをスケールさせるというのはこういうことなので、あらゆる業界が基本的にはこうなります。
基本的にどんなテクノロジーもいわゆる製品ライフサイクルと同じで、導入期・成長期・成熟期・衰退期をたどる。
データサイエンスはちょうど今、成長期の後半から成熟期のあたりにあって、手法が確立し大量生産され始めていているフェーズ。つまり、マニュアル通りやらせとけばある程度人間の数だけ儲けさせられる状態になっているというわけ。
僕がちょうど前職やめる寸前ごろが成長期の初め頃で、技術的手法は確立しつつあるものの、クライアントのニーズに合わせた製品構築が必要な頃でした。なんで、オープンソース組み合わせたり事例を組み合わせたりしてソリューション化するというところでした。
ソリューション化する頃というのは、至極当たり前のことが行われていない時代なのでノウハウを持ってる人が最強です。
当たり前のことが当たり前じゃない導入期~成長期序盤
例えばsnsでのつぶやき分析とかありましたが、みんな結構普通にできると思い込んでるんですよね。ただ、snsで呟かれる口コミ情報のほとんどはネットビジネスに関わるもの(ソシャゲとかアプリとか)なので、消費財やら固定資産やらはあんまり向かないわけです。なので、そもそもsns分析可能かというところを調べる必要があるのですが、そういうノウハウが成長期の序盤にはまだなかったりします。
スケールするためにコピーを量産する成長期後半
これが成長期の後半になるとどうなるかというと、ここら辺の当たり前のノウハウが形式知として蓄積し始めるので、誰でもできるようになります。極論、チェックリストや提案書をコピーして使い回せばいろんな、スキルがない人でも企業に提案して回れるようになります。
すると、もともとのスキルフルな人の役割はスキルがない人の相談に乗り、個別の事情に対しての若干のカスタマイズを施すことが中心業務になります。必然的に、こうしたポストは相対的に少ないんですよね。
成熟期に達したデータサイエンス
ここからが未来の話ですが、成熟期・衰退期に向かうとどうなるでしょう。成熟期になるとスキルフルな人の役割は、次の市場の開拓が求められます。既存の市場はスキルが低い人たちで十分回るようになっていますからすでに飽和です。自分の食い扶持を新しく探しに行かないといけないわけですね。
データサイエンス業界で生き残る道は?
さて、ここで元の話題ですが、果たしてデータサイエンスを今学ぶべきでしょうか。答えはイエスであり、ノーでもあります。
まず第一に、スキルフルなデータサイエンティストにならねばなりません。スキルのないデータサイエンティストはもろに衰退期に巻き込まれます。
第二に、データサイエンスのライフサイクルに着目せねばなりません。だいたいITのハードスキル(具体的なツールの使い方やソフトの使い方など)のライフサイクルは5〜10年程度です。100年生きないといけない我々にとっては少々短すぎやしないでしょうか。
第三に、データサイエンスよりも長いライフサイクルのスキルセットとは何かを考えてみてはいかがでしょうか。コンピュータサイエンスはどうやらデータサイエンスよりは息が長そうです。ものを多面的に考え、抽象度を上げた考え方をすることで、スキルの対象市場を広げ、自分の価値を上げることができます。
うっかりするとツールの使い方を覚えることだけがデータサイエンティストの仕事になりがちです。はたして、世のデータサイエンティストのどのくらいが今後生き残れるでしょうか。