「テクノロジーが重要なんだ」
こういう人は少なくないです。工学部を今年卒業する自分としても、「テクノロジーが重要」というのはとても同意できることです。
しかし、これが一度サービスに関する議論になった時どうでしょう?
私はこういうときにいつもこういいます。
「技術的問題はほとんどの場合解決可能なので、ユーザが受けるべきメリットについてよく考えてください」
これがなかなか難しいらしいことに最近気づく。
技術者は「技術的面白さ」が「一般人の感覚から離れすぎている」ことで、ユーザのメリットを考えにくい傾向があるように感じられる。
これはよくよく指摘されていることです。
が、面白いことに「技術者じゃない人」も同じく、「技術ありきでサービスを考える」傾向がとても強いことに最近気づいた。
やっかいなのは技術に関する知識がない分、発想が貧弱だということだ。
よくgoogleが引き合いに出される。(一応特定個人のことを言ってるわけではなくて本当にそういう人が多いということです。)
だいたい理屈はこんな感じだ。
「googleにはpagerankというテクノロジーがあった。かならずイノベーションにはテクノロジーが必要なんだ」
「googleにはcloudを持つ技術があった。だからイノベーションにはテクノロジーが必要なんだ」
しかし、これをいってる人の何人がpagerankによる効用やcloudによる効用を説明できるのかはかなり疑問です。
「テクノロジーが必要」といいながら、その実「テクノロジーが本当に重要だったかどうか」については全く検討されていないように感じられる。
とくに「cloudを持つ技術がある」というあたりは、もはや末期的な発言に聞こえる。cloudに関する技術的な定義は大変あいまいで、技術がわかる人は少なくともこういう発言はしない(と、俺は少なくとも思う
私はここに「テクノロジーの神話」があるように思えてならない。
もうテクノロジーの時代は去ろうとしているということに気づかないといけない。
「サービスの時代」といわれ、先進国は三次産業にうつっているといわれて久しい昨今。「テクノロジーの発明」に固執することはおかしいのではないだろうか?
もはやほとんどの電化製品は技術の集大成であるということを認識しないといけない。webサービスはもっと多くの技術の上に成り立っている。
RDBひとつとってみたところで、技術の集大成だ。
もはやフィラメントを光らせたらそのまま製品にできるような時代はとっくの昔に終わっている。ひとつの技術がイノベーションを起こせるというのはすでに時代錯誤でしかない。
現代のテクノロジーにおいて必要なことは2つ。「市場をみること」と「多くのテクノロジーを知ること」だ。
市場を見ることで、どのようなテクノロジーが必要とされており、なにを開発するべきかを知らないといけない。
そして、市場の問題を解決するために、適切なテクノロジーを選択できなくてはいけない。
もし、現代にイノベーションが求められているというのであれば、「技術の発明」に固執してはいけない。
イノベーションは、テクノロジーの与えた経済的・社会的インパクトで計られ、しかも技術の発明がそのまま社会にインパクトを与える時代は終わってしまっているからだ。
今はむしろ、与えるべきインパクトから逆算することが求められている。与えるべきインパクトから、適切な技術を開発・選択することが求められている。
今一度真摯に「テクノロジー」「イノベーション」という言葉について考えてほしい。
本当に、あなたが考えている「pagerank」や「cloud」がイノベーションに必要だったんだろうか?むしろ、単純に「検索結果がよかったから」じゃないだろうか?
インターネットは本当にあなたの生活を変えたのだろうか?ニコニコ動画がなかったら?Amazonがなかったら?googleがなかったら?あなたはwebサービスがなくてもインターネットに感動しただろうか?
こういう言い方をしてもいいかもしれないです。あなたの「目で見たもの、耳で聞いたもの、肌で感じたもの」を信じてください。
本当にpagerankにあなたは感動したのでしょうか?メディアにだまされてそんな気がしてるだけじゃないですか?
本当にインターネットに感動したのでしょうか?今あなたの見ているものはインターネットなんですか?
重要なのは、事実がどうだとかではないです。あなたの目で見、頭で考え、そして納得したことなんでしょうか?
誰かが作った「テクノロジーの神話」に騙されてませんか?
2 Responses for "テクノロジーの神話"
テクノロジーの神話ってよくわかりませんが...
目先のイノベーションばかりが目立っている様に思います。
応用、組み合わせなどでなく新しいテクノロジー群の基礎になる
研究・開発にもっと長期的投資がされるべきと思ってます。
>みつる
最近の社会的要請からの論理なので、科学の発展とか技術の進歩とかとはまた別問題ではあります。
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